...行こうよ、私と。ここにはない国へ。イヤなものは何もない国。楽しいものだけがある国よ。ねえ、行こうよ。バリアのいらない国へ。誰といてもひとりぼっちじゃない国へ――。イヤな臭いのする飲んだくれの父と、泣いてばかりの母。用務員の「優しさ」に蒼い性を散らせて噂の的となった由美には、家にも学校にも居場所なんてない。心を閉ざしてしまった彼女の前に、得体の知れない少女が現れて...。『野ばらの国』。明智抄のホラー短編集。